ぱいたんです
夏も盛りを迎えた7月下旬、アジサイは見ごろを終えてしまいましたが、屋久島の道路沿いでは様々な花を見ることができます。今日はそんな中でも夏に見られる樹に咲く白い花をご紹介しましょう。
関係ないですが7月20日は種子島でロケットの打ち上げがありました。すぎのこの近くからも良く見えましたよ
夏も盛りを迎えた7月下旬、アジサイは見ごろを終えてしまいましたが、屋久島の道路沿いでは様々な花を見ることができます。今日はそんな中でも夏に見られる樹に咲く白い花をご紹介しましょう。
関係ないですが7月20日は種子島でロケットの打ち上げがありました。すぎのこの近くからも良く見えましたよ
まず一つ目はこちら、ノリウツギ です
アジサイ科の樹木で、日本中に広く分布しています。樹液を和紙をすく際の糊に利用されていたためこのような名がつけられたようです。
島内ではランド線の道路脇でよく見かけます
アジサイ科の樹木で、日本中に広く分布しています。樹液を和紙をすく際の糊に利用されていたためこのような名がつけられたようです。
島内ではランド線の道路脇でよく見かけます
アジサイと同じく、萼片が花弁のように発達した「装飾花」がよく目立ちます。アジサイと同じく、装飾花には結実する能力がありません。
枝先に見える小さな花が本当の花です。装飾花に対してこちらは「両性花」と呼ばれます
装飾花には、送粉者である昆虫に対してアピールする役割があると考えられています。
枝先に見える小さな花が本当の花です。装飾花に対してこちらは「両性花」と呼ばれます
装飾花には、送粉者である昆虫に対してアピールする役割があると考えられています。
2つ目はヤクシマサルスベリ。
分類学上では中国、台湾、琉球列島に分布するシマサルスベリの変種とされています。街路樹としてよく見かける普通サルスベリは赤い花を咲かせますが、ヤクシマサルスベリは白い花です。樹皮は普通サルスベリと似ており、所々剥げ落ちて斑模様になっています。
分類学上では中国、台湾、琉球列島に分布するシマサルスベリの変種とされています。街路樹としてよく見かける普通サルスベリは赤い花を咲かせますが、ヤクシマサルスベリは白い花です。樹皮は普通サルスベリと似ており、所々剥げ落ちて斑模様になっています。
島内ではノリウツギと同様ランド線沿いでよく見かけました。↑の写真の個体は白谷線で撮ったもの。
近づいてみてみると花弁が縮れているのが分かります。
近づいてみてみると花弁が縮れているのが分かります。
ランド線ではたくさんの個体が花をつけていました。何度も車を走らせてきた道ですが、こんなにも多くのヤクシマサルスベリがあったとは驚きです。
3つ目はリョウブ。
一見サクラのような葉の形をしていますが、サクラの属するバラ科ではなく、リョウブ科リョウブ属の樹木です。ノリウツギと同様日本中に広く分布している樹木です
前述のノリウツギ、ヤクシマサルスベリほど個体数は多くない印象ですが、こちらもランド線で見られます。花をつけていない個体もいくつか散見されました。
一見サクラのような葉の形をしていますが、サクラの属するバラ科ではなく、リョウブ科リョウブ属の樹木です。ノリウツギと同様日本中に広く分布している樹木です
前述のノリウツギ、ヤクシマサルスベリほど個体数は多くない印象ですが、こちらもランド線で見られます。花をつけていない個体もいくつか散見されました。
見た目ではあまり派手さのない花ですが、花蜜を吸いに色々な昆虫が集まってくるらしく、特にカミキリ屋さんには人気なのだとか。
かつては救荒植物として利用されており、新芽は山菜として重宝されています。
かつては救荒植物として利用されており、新芽は山菜として重宝されています。
4つ目はアマクサギ。
クサギの変種とされており、クサギとくらべて葉の毛が少ないという点で区別されているようです。
漢字では「甘臭木」と書く通り、葉をちぎると独特の甘臭い香りがします。
県道沿いで「変なアジサイだな~」と思って近づいてみるとたいていアマクサギだったりします。こちらは山まで行かずともよく見かける樹木ですね。空港近くにも生えています。
少し近づいてみてみましょう。花弁から長い蕊が出ているのがわかります
上に反り返っている緑の蕊がめしべ、垂れ下がっている4本の紅色の蕊がおしべです。
上に反り返っている緑の蕊がめしべ、垂れ下がっている4本の紅色の蕊がおしべです。
観察中にモンキアゲハが花の蜜を吸いにやってきました。
番外編
こちらは樹の花ではありませんが、屋久島の夏の白い花として外せないツルランです。
ラン科エビネ属の大型のランで、私たちに夏の盛りを知らせてくれます。
こちらの個体は屋久杉自然館、7000年の森で見かけました。
こちらは樹の花ではありませんが、屋久島の夏の白い花として外せないツルランです。
ラン科エビネ属の大型のランで、私たちに夏の盛りを知らせてくれます。
こちらの個体は屋久杉自然館、7000年の森で見かけました。
環境省のレッドデータでは絶滅危惧Ⅱ類。希少なラン科植物ですが屋久島の林内ではちょくちょく見かけます。
一つの花を注目してみてください。私にはドレスを着た女性がぶらさがっているように見えるのですが、どうでしょうか??
というわけで今回は「樹に咲く白い花」をテーマに4+1種をご紹介しました。
最後のツルラン以外は道路沿いで見つかる花ばかりですので是非探してみてください!
最後のツルラン以外は道路沿いで見つかる花ばかりですので是非探してみてください!